お誕生日おめでとう氷上(建前)

いやぁあのヘルメットかぶった氷上もとうとう誕生日を迎えてしまったわけですよ!


もちろん朝から氷上くんはカレンダーを見ます。
今日の予定が書かれているのです。

「ボクの誕生日だ・・・!!」

一人で今気づいたような振りをしますが、
もちろん1週間前からワクワクしっぱなしです。
だってムッツリだもの。

ニヤニヤしながら今日学校で何が起こるか楽しみにしながら登校。
わくわくしすぎて
ヘルメットのベルトを止め忘れました。
カーブの際にずり落ちそうになるも、手信号中の左手に引っかかりセーフ。
彼からヘルメットを取ると愛らしさが大幅ダウンなのでよかった。
本当によかった。





学校に着きました。
今日
もちろん早めの登校です。
いつもはこれから荷物を整理し、黒板を綺麗にしてから校門で生徒会活動を行いますが、
今日だけは自主的に活動休止です。

ええ・・もちろんクラスメイトに自分をアピールするためです・・!

必要以上にドキドキしすぎてもう秋なのにカッターシャツが汗で肌に張り付いています。

きもちわるいです。大変きしょくわるいです。


両肘を机に立て、あごので絡ませて頬を赤らめニヤニヤする氷上くん。
彼は今日で16歳になります。


「あ、おはよう氷上くん」
「ややややややぁ!! おpは、おはよううう、海野君!」

一番にやってきたのは、今年外部の中学校からやってきた海野さんでした。
もちろん、氷上くんのきもちわるい挨拶に開けたドアを閉めてしまいました。

「ど、どうしたんだい海野君?」
「い、いや・・氷上君・・今日・・」

ドアごしに会話する二人。
海野さんが『今日』というワードを出した瞬間、氷上君は体温が上がる感覚がしました。
もちろん実際手のひらには大量の汗をかいています。
なんどもいいますが、 きもちわるいです。大変きしょくわるいです。

「氷上君今日・・・なんか今日おかしくない?」
「そ・・そうかい?」

それは僕が歳をとったからだよ海野君・・・!

勘違い氷上君は止まりません。


「あん?海野!何してんだよ教室はいんねーのかよ」
「ハリー!おはよう!・・・あ、えと・・これは・・・」

そこにいつもは遅刻スレスレにくる針谷幸之進くんがやってきました。
どういう吹き回しでしょう。いつになく早い登校です。

「お、氷上なにしてんだお前すんげー汗だらけだぞ!」

海野さんを連れて入るや否や、針谷くんは大声をあげて氷上くんを見ました。
驚愕な顔が、氷上くんの汗を物語っています。

「針谷君。べ、べつに僕は・・・!」
「本当。大変、氷上君熱あるの?」
「おまっ、シャツまで染みてるぞ!」
「ひ、氷上くん・・これつかって?」

みかねた海野さんは氷上くんに可愛い苺柄のハンカチを手渡しました。

「あ、ありがとう・・・」

渡されたハンカチで頬をふくと、
グッショリとした感触が。

「よかったなー氷上!
今日お前誕生日だろー?
!!!!!!!!

拭いたはずの汗がまた氷上くんの顔面をうめつくしました。
何故彼が知っているかどうかは追求するかしないかはほっておいて、
針谷君がとうとう言ってしまったのです。


「し、知っていたのかい」
「おー。一応な」
「そうなんだ・・ごめんね、氷上くん・・私何も用意してなかった・・」

人の良い海野さんは手をあわせて氷上くんに謝ります。

「い、いいんだよ。そんな、何かをもらうための誕生日じゃないんだから」

うそつき格!
心の中ではとてつもなく落ち込んでいます。
だって海野さんは氷上君の大切なお友達なのですから!


「あ、これ。氷上!俺からのプレゼント!」

突然針谷君から黒いCDショップの袋に入れたれたなにかを渡されました。
いや、投げられました。

もちろん氷上君の頭に直撃です。
床にバンと落ちました。

「それ!お前に超オススメ!」

針谷君はそう叫ぶと、海野さんに朝飯買いに購買にいこうと言って教室を出ていきました。
もう流れた汗はいくせんリットル。
半分嬉しく、そして半分疑わしい針谷くんからのプレゼントを手にとります。


「ときめきメモリアル」


そう書かれたタイトルのものは、PS2ソフトでした。

氷上君は先日クラスメイトから安く貰った(
無理やりかわされたともいう)PS2本体を持っています。
針谷君らしい、ゲームソフトのプレゼントだったのです。













つづくかもしれません(おちなし)